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福岡バラ会 2021年1月 講習会 薔薇の剪定

薔薇の剪定はすべての条件を検討し実施

講師:星隈 秀雄

① 株元からの樹液の流れを見極める

株元を100%としてどの枝に何%の樹液の流れになっているか、秋の開花枝を見て推察する。

古くても途中シュートが出て勢いがあるのは残し、その上を除去する。

古くてシュートに勢いの無いものは根元から除去する。

② バラの枝の特徴を知る

バラには、柳葉、3枚葉、5枚葉がある。どこから出る芽が良いシュートになるかを知る。

5枚葉を1〜2枚付けて切除するとはそういう事である。枝の基部から20㎝以内で剪定。

③ そのバラが多肥か寡肥か

寡肥を好む品種は大きい枝で剪定しないようにして、細い枝で本数を多く仕立てる。

枝数を多くして剪定している「初恋」
大きい枝では良い花が咲かないので、強い枝を切除している「舞扇」
切除した枝の節目からシュートが発生して次の開花枝に仕立てる

④ そのバラの樹形が直立か横張か

直立は外芽で剪定。横張は内芽で剪定。

⑤ 開花位置や高さなどを想定して剪定位置を決める

HTの場合シュートの高さが70cm以上も伸びるので秋の剪定位置の高さも考え、低い位置で剪定する。私は膝の高さ。

出てくるシュートが重ならないように向きを考慮して、剪定する芽を選ぶ。

⑥ 新しい株か古い株か

新しく植え付けた株は低く剪定してもOK

古い株は高くなり過ぎていてないか、木化させていないか、新しいシュートが発生するよう努める。

木化した「雅」。枝の下芽の上で「鋸目剪定」をして途中シュートの発生を促し今年も多くの花を咲かせながら、先々根元からベイサルシュートが発生する樹形に作り変える。

⑦ この枝に何本仕立てるかも想定しておく

株の力を考慮して全体で何本位の枝か。株の力があるのに枝数を制限しても良くない。又逆で力が無いのに枝数を多くしても良くない。

枝の大きさ及び力で仕立てる本数(1〜3本)が決まる。

芽かき前
芽かき後

⑧ どんなやり方で剪定するか

通常剪定するか、節剪定(ナックルカット)するか決める。節剪定は芽の数が多いので芽かきが多くなる。

A. 節剪定(ナックルカット)

節剪定の芽かき前
節剪定の芽かき後

B. 鋸剪定

芽出し鋏を使用できない時は、剪定鋸で半カット剪定をします。

ブログ「私たちのばら日記」の2021/2/23の記事 「ロイヤルハイネス春の剪定実験」に、ナックルカットと鋸目剪定を併用した事例があります。

下部枝の鋸目剪定から出て成長した枝   左:3月31日    右:5月2日(約1ヶ月後)

C. 芽出し鋏を利用する剪定

岡恒の芽出し鋏

芽出し鋏剪定

芽を出させたい2段以下に芽の上5㎜位の位置にハサミを入れる。

2芽に芽出し剪定をして強い芽が発生
芽出し剪定後の詳細

⑨ 良い芽を見つけて剪定

このように、薔薇の剪定はすべての条件を検討し、丸い膨らんだ芽 で剪定する。
芽が無い箇所があるので要注意。


(ここに2/27撮影の実習ビデオを挿入予定)