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ローズ・ふくおか アーカイブス 2016 「福岡バラ会のこと」

福岡バラ会のこと  小林 正子 
平成28年/2016 No.27 掲載

 平成23年3月の東日本大地震、大津波には驚かされました。さらに、平成28年4月の熊本を中心とした大地震で、熊本バラ会は大変な被害を受けられました。その余震も治まらない中に、九州・山口ばら懇話会の次期総会受け持ちの熊本バラ会の方々が、平成28年度の懇話会総会佐賀大会に多数参加され、大会を盛り上げて下さいました。

 福岡バラ会は、戦後の混乱から少し立ち直った昭和26年に発足し、美しいバラを皆さまに鑑賞していただきたいと、昭和27年に第1回の春のばら展が福岡玉屋で開催されました。コンテスト出品花は牛乳瓶、ジョッキに生けて優劣を競ったようです。和服の女性会員がディスプレイされる姿が写真にありました。バラ展はコンテストだけでなく、ご来場の皆様に楽しんでいただくのが福岡バラ会の原点です。

 平成23年、創立60周年の祝賀会に出席された猪野又太郎様(初代会長のご子息)から資料を頂き、当時の様子が良く解かりました。

 福岡バラ会の初代会長は猪野鹿次様、2代原資文様、3代末松慶和様、4代田中丸善輔様、善輔様ご逝去後、ご子息の田中丸善彦様が5代会長として昭和62年から平成21年までの永い間バラ会を導いて下さいました。

 平成3年には日本ばら会全国大会を福岡玉屋で開催。また、平成13年には福岡バラ会50周年記念祝賀会が開催されました。

 平成17年には東区アイランドシティで、都市緑化ふくおかフェアーに参加(11月2日~8日)。その中で「第108回秋のばら展」が開催されたことは忘れることができません。「花の美術館」の展示場は約300坪、その半分がばら展会場でした。近くにお住まいの建設会社で設計担当の会員さんに実行委員に参加していただきました。早速会場全体の模型まで作って下さいました。このばら展の期日が今まで経験したことない11月で、しかも7日間なので、剪定日を何日にするかを研究部で試行錯誤していましたが、会期前に暖かい日が続きほとんどのバラが咲き終わってました。

 九州・山口ばら祭りも11月3日にあるので、出品を呼びかけました。この困った状況の時、宇部の松谷会長にもバラをお願いしましたところ、宇部バラ会から早速立派なバラを200本ほどを車で運んで下さり、コンテストにも見事な花が並びました。その後、さらに200本ほどを持参して下さいました。お陰で会場が豪華になりました。本当にありがとうございました。

 毎朝7時から会場にいましたが、お客様の歓声が上がると疲れも飛んでしまいました。バラ会員の皆さまの底力は見事なものでした。

 福岡バラ会の春秋のばら展会場は福岡玉屋、博多大丸、その後現在の福岡植物園で開催しています。これも、田中丸名誉会長のご尽力のたまものです。

 福岡バラ会創立当時から、赤司廣楽園様の大きなバックアップがあったことも忘れてはなりません。ばら展会場と同様に一時期大切な研究会の会場がなくて、福岡市立婦人会館(アイレフ)に会場の申し込み手続きを毎回してましたが、ほどなくインターネットでの申し込みが優先されることが分かり心配でした。その時に、赤司廣次様がご尊父の意志をつがれ、現在の赤司ローズホールを私財を投じて建設して下さいました。お礼の申し上げようもありません。福岡バラ会を発展させることが先輩の皆様に対して一番大切なことと思います。バラと対話して美しい花を咲かせましょう!

 最後になりましたが、会員の吉田博美さんが10月に農林大臣賞を受賞されました。この賞は、第26回全国花のまちづくりコンクールにおいて最優秀者に贈られるもので、全国から応募のあった1867点の中から、吉田さんのバラを始め宗像市の花であるカノコユリや草花による多様な花のまちづくりの熱心な活動が認められてのものです。本当におめでとうございます。