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福岡バラ会 2020年9月 講習会 有機ボカシ肥料

有機ボカシ肥料の作り方 講師:井手 実

ぼかし肥料とは

通称「ぼかし肥料」と言い、即効性があって作物の生育にすぐ効く化学肥料に対し、畑の土の 微生物を活性化させてバランスの良い生育を促す有機肥料。
※「ぼかし」とは、土に肥料を混ぜてぼかす(薄める)ことからこの名がついたといれている。

天然の素材を使用

今回作るのは、米ぬか、菜種油カス、魚粉、骨粉の4種類の天然素材だけを、発酵促進剤 EM で発酵させたもの。

注意 EMや類似の発酵促進剤については検索して調べてください。
このページでは特定の商品を推奨するものではありません。

EMとは

Effecfive Microorganisms = 「有用微生物群」の略で、数ある微生物の中でも有用な微生物を集めた。様々な汚れをきれいにして腐敗菌を抑える働きをもっている。

微生物は、顕微鏡などを使わないと見えない小さな生物の総称。微生物は、川や海の水1mlに1万匹以上、土1gの中に数億匹、人の腸の中には100兆匹の微生物が住んでいる。人の細胞の数が60兆個(37兆個という説もある)なので、いかに多くの微生物が体内に住んでいるかがわかる。

微生物の中ではバクテリアの種類が一番多く、様々な能力を持っている。例えば、酸素が無くても死なないもの、100℃の熱湯の中でも生育するもの、石油をたべるものなど、1万種程度のバクテリアが同定されてる。しかしこれはバクテリアの1%に満たず、99%以上は未知数と言われている。

今日使用するEMには80種類以上の有用菌が入っている。


ぼかし肥料を作ろう

材料  2020/3/15 120kg作成時の例

左から  魚かす:20Kg  骨粉 :20Kg  油かす:20Kg  米ぬか:60KgEM 原液;100cc 糖蜜:100cc 水:20ℓ~30ℓ
※水道水は浄水器を通すか、一晩汲み置きし塩素を除く

手順-1 材料を混ぜる

手順-2 EM希釈液(使用液)を作る

手順-3 EMを混ぜ合わせる

混ぜ合わせた材料に、EMの希釈液をジョウロで加えながら水分が均等になるよう混ぜる。

水分の目安は、材料を強く握ると団子になる位の硬さが適当。軟らかい場合は水を加える。
注意 水分が多いと発酵しにくく腐敗しやすいので注意

手順-4 密閉して保存

発泡スチロールのリンゴ箱に新聞紙を敷き、容器いっぱい入れる。※カチカチに押さえなくてよい。
蓋をしてガムテープで密閉。隙間があると発酵しにくいことがある。

発酵期間、保存場所

 

発酵の目安は夏場は1か月程度、冬場は約3か月を目安にする。10℃以下になると発酵しにくい。
発酵温度は25℃~35℃なので、保存場所を工夫する。

結果 6ヶ月後

ボカシが完成すると甘酸っぱい発酵臭がする。変な腐敗臭がするのは失敗。
また、表面に白いカビが発生するは問題ないが、青カビや黒カビの発生は失敗。

成分表

各有機物の三要素含有率は、原料の状態や加工方法などにより必ずしも一定ではない。材料の成分率が明示されいる資材以外は、「有機質肥料 - Wikipedia」などの資料を参照し、それらのおおよその平均値を基に算出。

バラ用の肥料としてはカリの含有量が少ない。カリを入れる場合は例えば草木灰などをこのぼかしとは別に施肥する。