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ローズ・ふくおか アーカイブス 2006-17 「福岡バラ会オーストラリアバラ園探訪の旅」に参加して

「福岡バラ会オーストラリアバラ園探訪の旅」に参加して   益田 明
平成18年/2006 No.17 掲載

 今回のオーストラリアバラ園探訪は、田中丸会長とセドリック・フォスターさんとの事前の綿密な計画、打ち合わせの上行われました。

 お陰で、訪問先では手作りのケーキ、サンドイッチやバーベキューパーティ等で温かく迎えられ、アットホームなバラ園の探訪が出来ました。お世話になった多くのヴィクトリアバラ会会員の皆様に感謝いたします。

 次に印象に残った主なバラ園について記したいと思います。
まずメルボルンでの最初の訪問先は、フォスターさんの案内でロザリー・パーソンさんのお庭でした、パーソンさんは大阪の世界バラ会議に出席された方でたまたまフォスターさんと田中丸会長との写真の中の女性でした。お庭はローズジャングルとバラ仲間から言われているそうで、元気なバラが庭の内外で咲き誇っていました。又お隣の庭までボランティアでバラを育てられていました。そして可愛い猫がおり、我々のために猫の小屋の中には日本人形が飾られていました。

 次のエリザベス・オーモンド・スミスさんのお庭では友人のエステルさんの手伝いがあってティーパーティで迎えてくださり、一同ホッとして寛ぎました。お庭もバラだけでなく、多少日本的な庭でした。小生トイレ拝借でつい靴を脱ぎました。主人のロッドさんから珍しがられ記念写真を撮られました。又立派に咲いていたピースキーパ一の前で二人の記念撮影をしました。

 フォスターさんのお庭は前庭に立派に咲いたアイスバーグ等がありました。オーストラリアのバラは一般的に大きく元気に育っています。裏庭は広く思いやりと愛のこもった手入れがなされ非常に立派なバラ園でした。全員でフォスターさんを中心にして記念撮影をしました。

 午後はジョン・ニューウェステングさんの広いバラ園を観賞し、お茶をご馳走になりました。オーストラリアン・ローゼズでは息子さんから熱心に芽接ぎの実演をしてもらいました。

 今回は特別に世界的に有名なフレミントン競馬場を案内されました。事前にフォスターさんが本日見学が出来る様に配慮され、ヘッドガーディナーのテリー・フリーマンにより直接案内されましたバラは一万二千本あり 16 名にて管理されており、それは見事な立派な競馬場でした。バラは今年多少早く咲いてしまった様でしたが立派でした。ロイヤルルーム等にも特別に案内されました。最後にフリーマンさんとヴィクトリアバラ会のブライアンさんと一緒に記念撮影をしました。

 ウエリビーのヴィクトリア州立バラ園で特に驚いたことはこのバラ園を案内してくれたヴェロニカ・オブライアンさんを中心に 130 人のボランティア達で管理されていることでした。毎週水曜日がボランティアの日で手入れ後バーベキューパーティ等を行うとのことです。州立バラ園の近所のオブライアンさん宅ではご主人のトムさん(退役将軍)お手伝いのマーガレットさん達によるバーベキュー、サンドイッチ、ケーキ、そして果物等をご馳走になり寛ぎました。

 ヴィクトリアバラ会、春のバラ展はマウント・ウェバリーの広い会場で行われていました。今年は異常高温でHTは満開をほとんど過ぎたとのことでした、オーモンド夫人やボランティア(日本人のホームステーの女性もいました)が接待所の係りをしていて、サンドイッチや果物をサービスして下さいました。コンテストの審査基準は日本とは大幅に異なっていて、いろいろ種目が設けられ全部で 131 種目もあるというも のでした。

 クライドゥ&ジュディ・レイドゥローさんのお庭は大きなユーカリの樹があり、裏庭には日本的な感じの庭がありました、主人のクライドゥさんは元フットボールの選手で一生懸命に皆んなの椅子やテーブルを用意されたり、庭の案内をされたりで、そのもてなしに大変感心させられました。ダイニングルームは英国式の六角形のガラス張りで庭の眺めの一番良いところにありました。ジュディ夫人の手作りのサンドイッチやケーキを女性軍はダイニングルームで、男性軍はアイスバーグやシボレーが美しく咲いている庭でいただきました。

 広大なシドニーのスウェンズナーセリは、最近スウェンさんからフィンバーさんに経営が変わりました。しかし名称はそのまま引き継がれ、バラのみでなく他の花も豊富で、特にバラの新品種も手掛けられていました。特に驚いたのは、フィンバーさんから次の3種類のアイスバーグの新品種を紹介された時です、入り口の一角にあった 1993 の Pink, 1997 の Brilliant、2003 の Burgundy(フランスの赤ぶどう色)で、従って1958のアイスバーグ(白)(シュネービッチェン)コルデス作と4種類になることを始めて知りました。

 アイスバーグは、1958年の世界バラ会議で殿堂入りし世界で愛されています。今回もフォスターさんの庭、ヴィクトリア州立バラ園、クライドゥーさんの庭、そしてメルボルンの町中でもスタンダードとして植えられ愛されていました。その後、フィンバーさんから広いバラ園の苗木や特にスタンダード作りの苗まで案内されました。フィンバーさんの奥様は日本人とのこと、いつの日か日本に直接新品種が輸出されることでしょう。最後に、フィンバーさんに小林さんから福岡バラ会のバッジを記念にと手渡され大変喜ばれました。バスの中まで入られて、皆さんにバッジを見せられお礼を言われました。

 最後のジム.&.パット・カニングハムさんのお庭のバラは今迄のバラ園と異なった日本的な育て方が行われていました。バラは盛りを過ぎていましたが、まだプリンセスド・モナコ等は立派に咲いていました。広い裏庭はバーベキューの設備等があり計画的に階段状に造成されたバラ園でした。又大型な鉢植えがあり(廃物のドラム缶利用)10年間は植え替えしないと教えられました。帰国後早速スタンダードのアイスバーグを13号から15号の木の樽に植え替えました。ダイニング・リビングルームでは、パットさんと友人のアイリンが手作りのサンドイッチとケーキで心から持てなしをうけました。パットさんは大阪の世界バラ会議でのTシャツを着ておられ皆さんに指をさし喜んでおられました。小林さんから記念品として博多人形を手渡されて大変喜ばれれました。最後に全員が前庭の花壇の前で記念撮影をしました、折から小雨が降り始めましたが、雨の中アイリンさん、パットさん、そしてジムさんの3人に見送られ別れました。

 今回バラ園探訪して、ヴィクトリア州立バラ園の管理、リポン・リー大邸宅の案内、 そして各バラ園の案内等多くがボランティアにより行われていることに大変感心させられました。
又各バラ園を訪問して、以前フォスターさんのエッセイの中にありました「バラは思いやりと愛のこもった手入れ」が大切であると云うこと教えられた旅でした。

バラの旅スケジュール
月 日都 市摘 要
第1日目
11月8日
水曜日
福岡発
シンガポール
10:20 SQ989でシンガポールへ向かって出発。添乗員は若いがしっかりと行き届く篠原睦美さん。
乗り継ぎで5時間の待ち時間を利用してバスで市内へ。 大通り両側はピンクや赤のブーゲンビリアが満開。バラの旅の前途を予感させる。林立する高層ビルに囲まれてしまったラッフルズ広場、シンガポールのシンボルといわれるマーライオンの噴水を観光して空港に戻る。
20:55 SQ227でメルボルンへ向かう。夕食は機内でいただく。機中泊
第2日目
11月9日
木曜日
メルボルン 07:15着。 フォスターさんが空港で迎えてくれた。メルボルンの案内役は英子さん。早速、バスで最初のバラ園、猫のいるパーソンズ邸を訪問。パーソンズさんも大阪でお会いした方である。次いでオ ーモンドスミスさん邸を訪問。ティー・パーティで迎えてくれた。 3番目にフォスター邸へ。前庭のバラも中庭のバラもすばらしい。 フォスターさんを囲んで記念撮影をする。
9月の異常高温で花の盛りは過ぎかかっていたが、3つの庭園はいずれも手入れが良く素晴らしい。
昼食は郊外の画廊レストラン「レッドガム」で。
午後は広いバラ園を持つニューエスティーグ・ナーセリーと、20棟近くもあるグリーン・ハウスでバラの水耕栽培をしているオーストラリアン・ローゼズ・ナーセリーを訪問。息子さんの芽接ぎの実演を観賞。
夕食はイタリア街といわれる町のレストラン「サン・ティノ」で。 寝不足の体にビールが滲みこむ感じだ。
宿泊はカールトン・クレス ト・ホテル。
第3日目
11月10日
金曜日
メルボルン ホテルのレストランで朝食。青野菜がないので尋ねると雨が降らないので野菜が少ないとのこと。  今日はばら会の会計のプレッドフィールドさんが案内役。バラに包まれたフレミントン競馬場を見 学。エリザベス女王の肖像画が掲げてある特別室や観覧席、上得意さんを接待するためのメーカーのブースなどを視察。競馬が休日のためにゆっくりと見学できた。次いで郊外のウエリビーにあるヴィクトリア州立のバラ園を見学。15000本ものバラが咲き乱れている。同じく大阪でお目にかかったオプライアン夫人を中心に130人のボランティアがこの広いバラ園の手入れをしているそうだ。毎週、水曜日が定例の作業日である。オーストラリアではどこに行ってもいろいろなボランティアが活動している。日本人も見習わなくてはならないと感じた。
昼食はオブライアンさんのお宅で元空軍中将のご主人手作りのバーベキューをご馳走になる。  午後は今回の旅で唯一の観光コースとでもいおうか、120キロ離れたフィリップ島へ向かう。日没前に海岸の「テイラー」レストランでオーストラリア名物のロブスターをいただく。 20時ころからリトル・ペンギンのパレードを見学。海からグループになって子供が待つ巣に帰ってくる身長30センチ、世界最小のペ ンギン達のよちよち歩きが可愛らしい。
ホテルには23時の帰着となった。
第4日目
11月11日
土曜日
メルボルン 朝食後、期待のローズ・ショー見学の前に、1850年頃に建てられたリッポン・リーの豪邸を見学。ゴールド・ラッシュの最中に大儲けした商人の邸宅という。家も広大な庭もすばらしい。
審査が12時まで掛るローズ・ショー会場には入れないので、その 間にサンドイッチと果物をご馳走になる。
そしていよいよヴィクトリア・バラ会のローズ・ショー見学。コンテストの数が130もある。春先、といっても9月のことだが、異常な季節外れの暑さで特にHTは殆ど花が終わってしまったという。それでも壮観なバラの花だ。
ショー見学の後はフィックリング邸、ブランドストック邸、ライドロー邸のバラ園を見学する。ライドロー邸のバラ園は低い生垣の通路を挟んでいろいろなバラや草花が開花しており、後方には背の高いバラや石楠花がバランスよく配置されていて、これがガラス張りの居間から眺められるよう細やかに計算された作りで印象的であった。
メルボルン最後の夜はお世話になった皆さんをクラリオン・オブ・ カンタベリー・ホテルの晩餐会にご招待して楽しい時間をすごした。 帰路、2ヶ月ぶりの雨で乾燥した街が洗われた。わずかの雨ではあったが、メルボルンの皆さんも少しはほっとしたことだろう。
第5日目
11月12日
日曜日
シドニー ホテルで朝食後空港へ。
9:30 カンタス航空FQ420で空路シドニーへ飛び立つ。
10:50 シドニー到着。 バスでオーストラリア発祥の地ロックスへ向かい、港が見える中華レストラン「ロイヤル北京」で昼食をとる。シドニーでの案内役は田吹まゆみさん。
午後、王立植物園を見学。残念ながらバラ園は閉鎖されていたがオ ーストラリアの桜といわれる紫のジャカランタの花が満開、珍しい植物や木にぶら下がったこうもりの大群などが我々を迎えてくれ た。午後4時ホテル・ヒルトン・シドニーにチェック・イン。モノレールが走る都心のホテルで、町の散策と買い物を楽しむ。
夕食はダウン・タウンのレストラン「ニックス・グリル」でオージ ー・ビーフのステーキを堪能した。
第6日目
11月13日
月曜日
シドニー 朝食後パラマッタのラムジー・バラ園を訪問。フォスターさんからの連絡でカニンガムさんが合流。案内役はスーザンさん。オールド・ローズが多い。
次いでオレリー・マインさんのスエイン・ナーセリーを訪ねる。広大な園にバラの品種も多く手入れが行き届いている。
昼食はカニンガムさんのお宅でサンドイッチを準備していただいた。こちらでも「もう2週間早かったら最高のバラが見られたのに」。 それでも段々畑の前庭のばらは素晴らしい。このときシドニーでも待望の雨が降る。
私たちは旱魃のオーストラリアに慈雨をもたらしたのかな?
16:55 シンガポール航空SQ222でシドニーを後に。
21:55 シンガポール到着。
第7日目
11月14日
火曜日
01:10 シンガポール航空SQ990 で深夜のシンガポールを出発。一路福岡へ向かう。
08:05 予定通りに無事福岡空港着。 オーストラリアの皆さんに感謝し、一日も早く旱魃が解消するよう祈りながら帰途に着く。