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ローズ・ふくおか アーカイブス 2016 「バラと私」

バラと私  永嶋 義範
平成28年/2016 No.27 掲載

 やや体調が回復したのを契機に、本格的に水町ガーデンのバラと向き合いだしてちょうど一年、自分ひとりでの庭(バラ、芝生、植木、植物等)の手入れ、お世話は色々な事が発生します。

 まず一年を振り返り何をしたかというと、今まで二足のわらじ的な仕事をより専門的に追求せねばならず、それには本を読みあさったり、スマホを頼りに検索したりするのに時間を費やす毎日でした。管理小屋には専門書も常備してあり、動噴、草刈り機等の取扱説明書が保管してあり、誤使用を防ぐことが出来たり、簡単な不具合は修理出来たり、それも一つのいい勉強経験と、時々休み時間に読み返してみたり、それもまた勉強といったところです。

 大まかには、昨年の作業日誌の確認により、年間スケジュールの作成、農薬(特に使用期限は厳重注意)、肥料(成分、比率は正確に把握)、関連資材の在庫確認(不必要なものは買わない、今ある物を先に消化、仕入先、大きさ、成分、効能、価格の把握)し、ナフコ、グッデイ、コメリ、JA多々良に足繁く通い詰めています。

 まず、相手(ここではバラ)を知ることから始め、早速水町ガーデンノートを作成し、バラについて花名、系統、花径、花色、咲き方、香り、特徴を書きとめ、肥料については成分分析と使用量の正確さを心がけ、やり過ぎに注意しております。農薬(特に殺虫剤)の薬効と対象となる害虫の把握については、ただ今勉強中です。

 バラの分類と名称、特徴等は、バラ図鑑2冊を頼りに、またそれに載っていなければ、スマホの音声認識を活用していくうちに、ほとんど名前不詳HTのバラはなくなり、名札を付けることができました。

 バラ花壇は、全域1.2~1.5mの深さが掘ってあり、孟宗竹を割りいれ、その上に土、腐葉土、バーミキュライト、マグアンプKの混合土を使用し、植え穴にはアニマルイージー、バラタクトクラッシック元肥を2層にて丁寧に植え付けを施してありましたが、バラ会での研究会に参加し講師の方々のお話を聞くと、始めて聞く肥料が多々あり、使ってみたいなと思うようになりました。その第一歩が、4月ごろ全体にバラの葉の色が薄緑であったのが、FTE施肥(小林氏指導のもとで)で即濃緑になったは驚きでした。

 春のバラ展に初めて単独で参加させて頂き、その折には諸先生方にコンテストへの出し方を、一から教えていただきました。有難うございました。今後ともご指導よろしくお願いします。ただ、昨年の猛暑の影響を受け、通常の勤務時間の影響を余儀なくされました。6月15日より9月15日まではサマータイムということで、26℃以上の高温時間帯(10時~17時)を避け、バラの手入れを行うことを実行しました。

 消毒と水やりは17時から20時の間に限り、水銀灯の明かりのもと実施。秋のバラ展前には黒星病、うどんこ病、蕾の中のオオタバコガとの戦いの毎日でした。

 バラ展1カ月前には、HTの株元にお庭の虫コロリを播き、1週間前からはベニカXスプレー片手にうろちょろしたおかげで、バラ達も懸命に芽吹きだしました。

 秋のバラ展3日間、それなりの本数を切りだすことが出来て、自分でも驚きは隠せませんでした。バラにほんとうにありがとうと言葉をかけたいくらいでした。なお、今回初めて土壌検査を行いました。秋のバラ展後、11月に入りJAに持ち込み依頼、その結果は燐酸過多、加里過剰というものでした。その後、11月バラ会で小林先生、星隈先生お二人に今後の処方箋の指導を受け、次回の元肥より露地植え、鉢植えとも対応させていただきました。春のバラ展の動向が楽しみです。

 最後になりますが、自分が一番大事だと思うこと、道具は大切にいつも綺麗にし、切れ味には特に気をつけています。使用後は水洗いし、刃先のあく取りをし、乾いた布で拭きあげ油さし、噴霧器は使用後真水にて1分間噴霧、動噴は同じく真水にて15秒間作動の繰り返しで、余水ホースよりの水の色が無色になるまで、ホース内の残りをなくすこと、スコップ、鍬等道具も雨ざらしにせず、物置格納を心がけております。

 これから先、奥さま(水町敏江様)のお写真の前の花瓶に、大好きだったHTバラを完璧な状態で、日々お届けできるよう努力したいと思っております。