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ローズ・ふくおか アーカイブス 1993-4「フンイキ時間とフンムキ時間」

フンイキ時間とフンムキ時間   唐杉 純夫
平成5年/1993 No.7 掲載

 生まれつきメカに弱いせいで勧められるとすぐに話に乗って買ってしまう。5年前に買った動力噴霧器は電気式で3リットル/分の能力を持つものだが、80リットルの消毒を終了するまでに約40分近くかかっていた。ポンプに砂を噛んだとか、農薬が悪さしたとかでリングの摩耗はげしく、かなり傷んでいたので新品に更新することにした。

 最初は同じ型を購入してみたがいまいち勢いがなく、勢いをつけると流量が下がり噴口を大きくして処理しようとすると、圧力が落ちてモーターが無理をする。もともとこの機種は大牟田にいた頃の割りかし小規模用にあつらえていたもので、圧力も処理量も増やさなければ今のうちの実情に合わないところがある。そこで新しい機種を探そうとしたわけ。

 ところが憎いことにあと4倍くらいのが欲しいとなると、もう2連式でモーター、ポンプが別々のものが必要で金額もかなり嵩むことが分かった。しかし、これだと処理時間は7〜10分で終わることになるので、今までのより消毒時間は劇的に短縮される。あまり早く終わるということは従来のものより大雑把にすむことでもあるから、80リットルのポリバケツ1杯では終わらないかも知れない不安はあるが、それはそれでやってみるしかない。

 従来は消毒薬の調合にも結構手間取っていて、メモをもとにシリンダー、天秤を使って計量するが生来のノロ助のためと、その場で思い直しの調合変更もあって、いつも20分以上はかかっている。だから調合から消毒終了まで合計80〜90分はかかっていることになり、これはどう考えても掛かりすぎだ。笑われそう。
 何もかもでせいぜい30分で終わらせなければということで、趣味のばらにしてはちょっと贅沢だが、12リットル/分のエンジン型の動力噴霧器を買うことにした。

 福岡ばら会歴代の諸先輩方のうち、何人かが脳腫瘍で亡くなられたと聞いている。当時と現在の毒劇物の人体に対する影響はかなり改善されていると思うし、まさか薬害がそうさせたとは思いたくないが、噴霧状でミストとなって肺に吸込まれる「雰囲気時間」は少ないに越したことはないので、思い切った。

 栽培面積が大きくなればなるほど、消毒のために費やす延べ時間は相当なもので、同好者のなかでも消毒を忌避するために『ウドン黒点ダニなんのその』といった人もかなり見受けられる。年間回数も30数回は間違いなく必要である。 ばら人生は消毒の人生 とだけはしたくない。去年の小林副会長曰くのダニ養殖家として一筆する次第である。

南関インターから5分の住人 (H5. 2.10)