バラ栽培研究会 月々の手入れ -10月
10月中旬〜11月下旬の手入れ
秋のばら展が迫りました。ばら展前の花の仕上げを丹念にしましょう。
Ⅰ ばら展に出品するHTの手入れ
- コンテストに出品する予定の花は、花枝や花首の曲がりをできるだけ早く直す。花枝直しは10日、花首直しは7日くらいかかる。
- 出品予定の花は、ビニール袋や傘などで雨・露から保護する。
- 日光によって花弁が変色するものは、ハトロン紙の袋をかぶせる。
- 施肥はしない。かん水は開花20日前から中止する。(鉢植えは従来通り)
- ばら展直前に薬剤は通常濃度で散布し、開花中は散布しない。
- 色素抜けの葉は、早めにキレート鉄の3,000倍溶液を1,2回散布する。
Ⅱ ばら展出品の注意
1 自由出品
添え物を使ってよいが、バラが主体で、作品に個性が出るよう工夫すること。
2 コンテストの出品要領
- HT
- 花枝の長さは、花首から花器の口まで50cm以内とする。
- 1花は5枚葉が3枚以上あること。5枚葉が多い方が良い。2花以上の場合は、最長の花枝の長さが50cm以内である。
- 早朝に採花し、すぐ水切りして1,2時間は深水につけておく。開き過ぎそうな花は浅水につけておく。
- 審査の時に見ごろになるように、7〜8分咲きで切る。
- 秋は低温の日が続くと、咲き過ぎと思う花が良い場合がある。
- 良花の条件
- 花、葉、枝のバランスが良い。
- 花芯が1つで、花芯を中心に整形に展開して咲く。
- 花弁が7〜9分展開し、外弁が水平より下がらない。
- 弁質が良く、花弁にしわがなく張りがある。
- その品種の特色を示す花色、花型をもっている。
- 花枝や花首が曲がらず、まっすぐ伸びている。
- 葉が波打たず、花枝に対し、ほぼ直角に広がっている。
- 花枝の上部の葉が下の葉より小さく、異常に大きいがくがない。
- 花、葉、枝に病虫害、薬害、風害、日焼けなどの跡がない。
- Fl
5本の花枝を花器に生ける。1枝に見ごろの花が3花以上が理想。 - Min
所定の花器に自由に生ける。配色、花枝のバランスを考えること。
Ⅲ 花後の手入れ
- 花がらは5枚葉を1,2枚つけて切除する。
- 雨が降らなければ、2週間に1回くらい十分にかん水する。
- 地植え、鉢植えともにお礼肥はしない。(春はシュートの発生のため与えるが)
- 黒星病、うどんこ病、ハダニが発生している場合は、越冬を防ぐために通常濃度より濃い殺菌剤や殺ダニ剤を、発生場所とその周辺に3,4日おきに回復するまで散布する。
Ⅳ 秋ばらの反省
今後のバラ栽培の参考にするため、次の事項を記録しておくこと。
- せん定日が開花予定日より何日早かったか、遅かったか。
- 8〜10月の晴雨や気温の概況、台風の状況。
- きれいに咲いた花、咲かなかった花。
- 肥料の種類、施肥時期や施肥量は適切であったか。
- かん水時期やかん水量は適切であったか。
- せん定した幹・枝の太さと仕立てた花枝の数は適切であったか。
- 病虫害や薬害を出さなかったか。
- 葉が落ちた場合、その原因は何か。
Ⅴ 今後の栽培計画
- 植え床、植え穴の準備を考える。
- 植え直し、配置替え、大苗の植え付け計画を立てる。