バラ栽培研究会 月々の手入れ 4,5月
5月上旬〜6月中旬の手入れ
冬の元肥入れから始まり、春バラの咲く季節になりました。春バラを鑑賞し、秋バラを咲かせる幹・枝の仕立てに努めましょう。
Ⅰ 開花前の手入れ
- 花枝に次々に出てくる副らい、脇芽は早めに取り除く。
- 良い花にするために葉、花首、花茎を直す。
- 花を保護する。雨はビニール袋や傘などで、花弁の日焼け(あけぼの、ジェミニなど)はハトロン紙の袋をかぶせる。
- 薬剤散布は開花直前にフルピカ フロアブル(殺菌)、マラソン乳剤(殺虫)、コロマイト水和剤(殺ダニ)などで行う。
- 施肥は花が終わるまで中止する。新苗には与える。
- かん水も中止する。鉢植えや新苗には与える。
Ⅱ 開花中の手入れ
- 薬剤散布、施肥、かん水は中止する。鉢植えはかん水し、新苗は施肥とかん水を続ける。病気や害虫が発生したら、その周辺だけに薬剤を散布する。
- 採花は、木が弱らないように花に5枚葉を2,3枚つけて短く切る。コンテストに出品する花枝は長く切る。
Ⅲ 花終了後の手入れ
- かん水は、花が残っていても5月下旬から十分にかん水する。
- お礼肥(追肥)も5月下旬から窒素分の多い液肥の1,000倍液を10日おきに2回与える。さらに6月上旬に粒状の即効性化成肥料をばらまき、かん水する。
- 春の花枝の処理(9ページの図 ➀,➁,➂を参照 )
咲きがらに5枚葉を1,2枚つけて切除する。または、咲きがらを花首から切除し、茎の上部の葉の付け根から次々に出てくる芽をかき取り、シュートの発生を促す。(7月上旬には茎の中ほどの良い芽の上で切り、この芽を伸ばして幹・枝にする。)
HT以外のバラも、咲きがらに5枚葉を1,2枚つけて切除する。花が咲くものは咲かせてもよい。 - 新苗の植え方
ポットから根を傷めないように出し、そのまま植える。鉢底面に巻きついている根は切り取る。 - 薬剤散布(開花前)
例:水10ℓあたり
展着剤 まくぴか 2 2㎖(5,000倍) 黒星・うどんこ病 フルピカ フロアブル 4㎖(2,500倍) 害虫類 マラソン乳剤 5㎖(2,000倍) ハダニ コロマイト水和剤 7 ㎖(1,500倍) アザミウマ(スリップス) ダントツ水溶剤 3 ㎖(3,000倍) - 新しい幹・枝の仕立て(下図 ㋐,㋑,㋒)
5月ごろから発生するシュートに5枚葉を5枚前後残して摘芯(ピンチ)し、そこから伸びてくる芽は5枚葉を7枚前後残して摘芯を繰り返して新しい幹・枝に仕立てていく。
ベイサルシュートは2,3回、途中シュートや高めシュートは1,2回摘芯して新しい幹・枝に仕立てていく。
- ⑴ 春の花枝から幹・枝を仕立てる(シュートの発生が少ない場合)。
- ⑵ シュートから幹・枝を仕立てる。
* ⑵ が十分に発生したら、⑴ の花枝の古い幹を根元から切除する。
新しい幹・枝の仕立て(上記 Ⅲ,6の説明)
- ⑴ 春の花枝の処理 ①, ②, ③
- ⑵ シュートの処理 ㋐, ㋑, ㋒
ベイサルシュートのピンチの仕方 (途中シュート、高めシュートも同じ要領)
- 1回目: 5枚葉を下から数えて5枚目前後でピンチ
- 2,3回目: 前のピンチ箇所から上に5枚葉を数えて7枚目前後でピンチ