バラ栽培研究会 月々の手入れ -６月
６月中旬〜７月中旬の手入れ
バラは毎年整枝とせん定を繰り返します。これがバラの寿命、樹勢、花の出来を大きく左右します。適切な整枝と剪定をして良い花を咲かせましょう。
Ⅰ 春花の反省
- 施肥の量と時期は適切であったか。
- かん水の量と時期は適切であったか。
- 病害虫の防除は適切であったか。
Ⅱ シュートの発生を促す方法
- 健康な生育のよい株にする。
- 土が乾いたら十分にかん水し、逆に大雨では表面の排水をする。
- 茂り合い交差した枝や不要な小枝を切除して風通しをよくし、株元に日光が当たるようにする。
- 窒素分の多い即効性肥料を与える。
- 春の花枝の咲きがらは切除する。
- ⑴ 咲きがらに５枚葉を１,２枚つけて切除し、そこから伸びた枝につぼみがついたら摘みとる。
- ⑵ 咲きがらを花首から切除し、上部の葉の付け根から次々に出る芽をかきとる。
７月上旬に茎の中程の良い芽の上で切る。この芽を伸ばして幹・枝にする。
Ⅲ 秋バラを咲かせる新しい幹・枝の仕立て
- HT ＊４月の講座 を参照
- ⑴ 春以降に発生したシュートから仕立てる幹・枝
原則としてベイサルシュートは３回、途中シュートは２回、高めシュートは１回ピンチして新しい幹・枝に仕立てる。
所定のピンチが終わったら最上段は咲かせてよい。 - ⑵ 春の花枝から仕立てる幹・枝（ ⑴ だけでは不足する場合）
- 咲きがらに５枚葉を１,２枚つけて切除した処から伸びた幹・枝
- 咲きがらを花首から切除し、次々に出る芽をかきとり、７月上旬に茎の中ほどから切除して、切り口の芽を伸ばして作った幹・枝
- 切り花の切り口の芽を伸ばしてつくった幹・枝
- Fl、Min、S、ER （ほとんど四季咲き）
咲きがらに５枚葉を１,２枚つけて切除し、秋まで繰り返し咲かせる。Flのシュートはピンチを１回した方がよい。 - Cl、OR（ほとんど一季咲き）
咲きがらに５枚葉を１,２枚つけて切除する。シュートはピンチしないで冬までまっすぐ上に伸ばす。四季咲きの品種は咲かせてよい。
Ⅳ 薬剤散布
梅雨時期だから、散布を早目早目に行うこと。規定濃度で７〜10日ごとに行う。
例：水10ℓあたり
| 展着剤 | まくぴか | 2 ２㎖（5,000倍） |
| 黒星・うどんこ病 | ポリキャプタン水和剤（予防） | ４㎖（2,500倍） |
| ハダニ | ＊注１ | 規定量 |
| ハスモンヨトウ アザミウマ | プレオフロアブル | 10㎖ (１,000倍) |
＊注１ 殺ダニ剤は抵抗性がつくため、いくつかの薬剤を毎回かえて使う。コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ダニカット乳剤、ダニ太郎、ディアナSCど。
＊注２ 黒星病が発生したら病葉を取り除いて、ダコニール1000とサプロール乳剤の1,500倍混合液を散布する。
うどんこ病は病葉はそのままで、トップジンM、ラリー乳剤、ルビゲン水和剤、カリグリーンなどを３,４日ごとに回復するまで散布する。いずれも早期散布が
大切。
Ⅴ 施肥
- 追肥
多肥品種や肥料不足のものに液肥の1,000倍液を６月に２回、７月に１回与える。鉢植えは、置肥と液肥を今までどおり与える。 - 夏の元肥
春花の出来から判断する。冬の元肥のおよそ1/2〜1/3の量を、梅雨明け直後に植え床全面にばらまき、深さ５cmくらいを耕し土と混ぜる。元肥には油粕、骨粉 （マグァンプK）など緩効性肥料を与える。わらやたい肥などで５〜10cmの厚さにマルチングする。
Ⅵ その他
- 月に１,２回は中耕すること。
- 除草に心掛けること。