バラ栽培研究会 月々の手入れ -7月
7月中旬〜8月下旬の手入れ
8月下旬から始まる秋花のためのせん定に備えて、不要な幹・枝の整理や病害虫の防除に努めましょう。
Ⅰ HTの整枝(秋せん定する幹・枝の仕立て)
- 秋せん定する幹・枝は、今春以降に発生したシュートから仕立てた幹・枝を優先させる。
それが足りない時は勢いのよい春の花枝を使う。 - 8月下旬までに、株にショックを与えないように不要な幹・枝を少しずつ切除して、せん定する幹・枝だけにする。
- ⑴ 昨年以前の弱った古い幹・枝
- ⑵ 込み合った枝、弱小枝・病害虫枝・薬害枝
- ⑶ 秋せん定に使わない春の花枝
Ⅱ HT以外の整枝
- フロリバンダ・ローズ(Fl)、ミニチュア・ローズ(Min)、シュラブ・ローズ(S)、イングリッシュローズ(ER)
四季咲きで次々に咲くので、花がらに5枚葉を1,2枚つけて切除する。 - クライミング・ローズ(Cl)、オールドローズ(OR)
込み合った枝、弱小枝などを切除し、花がらは5枚葉を1,2枚つけてとり除く。シュートはピンチせず上に伸ばす。
Ⅲ 薬剤散布
酷暑の時期になります。気温が30℃近くになると、うどんこ病がやや下火(静菌状態)になるが、黒星病や、ハダニ、カミキリムシなどの害虫に注意する。
薬剤散布は高温のため薬害が発生しやすいので、規定濃度より1.5~2倍程度薄くし、早朝または夕方に散布すること。6月と同様の薬剤を使用する。
Ⅳ 施肥
- 夏の元肥
まだ与えていない場合は「月々の手入れ - 6月」で説明したように、きるだけ早く緩効性肥料(油粕、骨粉など)を主体に与える。 - 追肥
- ⑴ 多肥品種や肥料不足のものに液肥の1,000倍液を1株に20ℓほど与える。
- ⑵ 8月下旬に芽出し肥として、液肥の1,000倍液を1株に20ℓほど与える。
- 鉢植え
今までどおり置肥(1か月ごと)と液肥の1,000倍液(1週間ごと)を与える。
Ⅴ かん水
梅雨明けとともにかん水量も多くする。土が乾いたら土の深部まで水が届くように十分にかん水する。このようなアクセントのある与え方がこの時期には大切である。
せん定後は土の水分量が一様になるようかん水する。
Ⅵ その他
- マルチング
バラの生育に大きく影響する。厚さが10cmくらいマルチングをする。その前に根が傷まないように注意して浅く耕すこと。 - バラの生育が悪い場合
1日も早く木を元気にしようとして、水や肥料を一度に多量に与えてはならない。
生育が悪いのは根が傷んでいるのだから、新しい芽が出るまではかん水や施肥をしないことが大切である。 - 鉢植えの防暑
「二重鉢」にするなどの特別の対策が必要。
直射日光にさらすと、鉢の内部温度は50~60℃にもなって根が焼けて枯れてしまう恐れがある。特に、強い西日は大敵。