バラ栽培研究会 月々の手入れ -1月
1月下旬~2月下旬の手入れ
バラは毎年整枝とせん定を繰り返します。これがバラの寿命、樹勢、花の出来を大きく左右します。 適切な整枝と剪定をして良い花を咲かせましょう。
Ⅰ HT(ハイブリッド・ティ・ローズ、四季咲き大輪バラ)のせん定
1 せん定に関する留意事項
- ⑴ 春のせん定は、せん定日を変えても開花日はあまり変わらない。しかし、品種によって遅咲き、早咲きの差は少しある
- ⑵ せん定までに弱小枝、交錯した枝、未熟枝などを切除し、2年以上たって老化した幹も根元から切除する。
また、せん定する幹・枝は、事前にせん定部位の1,2段上まで切っておく。 - ⑶ 充実した幹・枝の良い芽でせん定する。充実した幹・枝は、せん定するときカチンと音がする。せん定の適期は芽が膨らむ頃である。
- ⑷ 樹勢が強い品種や太い幹・枝は浅く、樹勢が弱い品種や細い幹・枝は深くせん定するように心がけること。
- ⑸ 福岡では、春花のためのせん定適期は2月上旬〜下旬である。
2 せん定の要領
- せん定
- ベイサルシュートからの幹は2,3段目でせん定する。
- 途中シュートからの幹・枝は1,2段目でせん定する。
- 高めシュートからの枝は1段目でせん定する。
- 昨年春の花枝は1段目でせん定する。
- せん定位置
せん定する段の中ほどの充実した芽の、幹・枝の太さ程の上を、芽の伸びる方向に切除する。 - 鉢植えは地植えより低い位置でせん定し、幹・枝の数も減らす。
- よく切れるはさみでせん定する。切り口が枯れ込みやすいものはトップジンMペーストなどを切り口に塗ると枯れ込まない。
Ⅱ HT以外のバラのせん定
- Fl (フロリバンダ・ローズ、四季咲き中輪房咲きバラ)
HTのせん定と基本的には同じ。HTより弱せん定して花枝を多くする。 老化した幹・枝や弱小枝はていねいに切除する。 - Min (ミニチュア・ローズ、四季咲き小輪房咲きわい性バラ)
強せん定をする。細い枝を残しすぎるとよくない。幹・枝の老化がHTより早いの で、早めに古い幹・枝を切除する。 - SR(シュラブ・ローズ)
非常に細い枝、込み合った枝などを切除する。古枝や小枝にも花が咲くので残す。 - ER(イングリッシュローズ)
SRの1種で、モダン・シュラブ・ローズともいう。せん定はSRと同じ。 - OR(オールド・ローズ)
SRの1種で大部分が一季咲きである。SRと同様に非常に小さい枝を整理し、弱せん定する。 昨年のシュートには花が咲かない。 - Cl (クライミング・ローズ、つるバラ)
元気のない古い幹は切除する。シュートや途中シュートからの幹は、先端を30cm ほど切って横に倒す。
昨年横に倒した幹に出来た枝は、枝元から2,3芽を残してせん定する。本来は12月にするが、まだしていない人は直ちにすること。
Ⅲ 施肥
しない。
Ⅳ かん水
しない。