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バラ栽培 月々の手入れ -2月

バラ栽培研究会  月々の手入れ -2月

 

2月下旬〜3月下旬の手入れ

せん定を終えて芽が出始めます。この時期は良い花枝を仕立てるための芽かきが作業の中心になります。

Ⅰ HTの花枝の仕立て

1 切り戻し

芽出しが悪い場合は、良い芽があるところまで幹・枝を切り戻す。

2 芽かき

良芽に養分を集中し、良い花枝を仕立てるために行う。芽かきをしないと小枝が茂り、日光が株元に当たらずシュートの発生が悪くなる。風通しも悪くなって病虫害が発生しやすくなる。

⑴ 3月下旬頃、頂芽が10〜15cmになるまでに、幹・枝の中ほどや下部の芽、幹・枝の節や株元の切り口の芽もかき取っていく。

⑵   原則として、せん定部位に近い上部の芽を伸ばして花枝にする。せん定部位の幹・枝の太さが10mm前後以下なら2芽、13mm前後なら3芽、16mm前後以上なら4芽くらいを残して花枝にする。

3 花枝の整理

⑴ 庭バラや飾り花として咲かせる場合
残した芽の全部を伸ばして花枝にして咲かせる。

⑵ コンテスト花として咲かせる場合
花枝の1本を摘芯して減らす。摘芯の時期によって残した花枝の大きさを調節する。4月上旬に摘芯すると残した花枝は太くなり、4月下旬以降に摘芯すると太くならない。摘芯した花枝は6月に花が咲く。摘芯は、良花が咲かないと思われる花枝に5枚葉を5,6枚ほど残すこと。ブラインドがあれば最優先で摘芯する。花枝の良否が判断しにくい場合は、花が乱れやすい頂芽からの花枝を摘芯する。

Ⅱ HT以外の芽かき

原則としてしないでよい。しかし、非常に小さい芽、込み合った芽、下向きの芽など不要な芽をかき取っておくと良い花を咲かせることが出来る。

Ⅲ 薬剤散布

原4月上旬までは葉が若くて薬害が起こりやすいので散布しない。アブラムシなど害虫が発生した場合はスミチオン乳剤、オルトラン水和剤などの殺虫剤を通常濃度より1.5倍ほど 薄い液で散布する。害虫の駆除は捕殺がいちばん良い。

Ⅳ 施肥

冬の元肥を与えているので、追肥せずに5月の春花の咲き具合を見て元肥の量の適否を検討する。

鉢植えは1ヶ月ごとに固形肥料の置き肥を鉢土の表面に埋める。週に1回1,000倍に薄めた液肥を与える。

Ⅴ かん水

降雨量を考慮して、土が乾いたら2週間に1回は水が土の深部に達するよう十分にかん水する。鉢植えは過湿にならないよう、土が乾いたらかん水する。

Ⅵ 植え穴の準備

新苗を植える穴を、土が落ち着くよう早めに用意する。植え穴は直径、深さともに50cmくらいの穴を掘る。1列に植える場合は幅60cm、深さ50cmくらいの溝を掘り、2列植えの場合は、幅120cmくらいの溝を掘る。幅、深さとも大きい方が後の成長が良い。排水が悪い場合は底に竹や木を入れ、排水を良くする。

土質改良のため、たい肥、腐葉土、ピートモス、バークたい肥などを1株に20ℓほどと、油粕300g、骨粉200g(又はマグァンプKを50g)を掘り上げた土と混ぜて元に戻し、その上に無肥料の土を戻しておく。

Ⅶ 中耕と除草

通水や通気を良くするために、月に1,2回は深さ5cmほどを耕す。病気やダニの発生を防ぐため、こまめに除草する。