バラ栽培研究会 月々の手入れ -12月
12月下旬〜1月中旬の手入れ
バラ栽培の1年は12月からスタートします。昨年1年間の手入れを振り返って、今後の栽培計画を立ててください。
Ⅰ 幹・枝の整理
株を固定している大きな支柱だけ残し、他の支柱は取り外す。作業がしやすいように小枝、込み合った枝、一昨年以前の弱った古い幹を切除する。せん定する幹・枝も、せん定部位の1,2段上を切除しておく。
II 排水性のある植え床つくり
本格的な水はけの良い植え床作りではないが、現在の植え床の方々に40cm以上の穴を掘り、たい肥を混ぜて埋め戻し排水を良くする。
Ⅲ 大苗(2年苗)の植え付け
- 1株の場合
直径、深さ50〜60cmの植え穴を掘り、水はけをよくするために木片や竹などを入れる。掘り上げた土の半分に、肥料とたい肥を混ぜて穴に戻す。施肥量が不明なら油粕200gと骨粉100g(又はマグァンプK25g)に、たい肥7kg(13ℓ)を混ぜて穴に戻し、大苗の接ぎ口が地面の上になるように支柱で固定して植える。品種の名札をつける。
- 2株以上の場合
植え穴を1株ずつ別々に掘らずに、植え床全体をざんごうのように掘って植える。*「月々の手入れ - 2月」の「Ⅵ 植え穴の準備」も参照。
Ⅳ 株の植え直し
植え替え
大苗の植え付けに準じて行う。掘り上げた株は土を落として、病気を点検し、根も切り詰め、油粕100g、骨粉100g(又はマグァンプK25g)、たい肥7kg(13ℓ)を混ぜて穴に戻す。その上に新しい土20ℓを入れて植えると生育が良い。
Ⅴ 元肥入れ
- 1株あたり油粕100g、骨粉100g(又はマグァンプK 25g)とたい肥7kg(13ℓ)を、植え床全面にばらまいた後、株から 20cm以上離れた植え床全面をスコップで30cm以上(なるべく深く)掘って、元肥とたい肥と土をよく混ぜる。この作業時に多少の根が切れてもかまわない。
- 土壌のpHが 5.5 以下の場合はバークたい肥を使い、6.5 以上の場合は未調整のピートモスを入れ、土壌のpHを 5.5〜6.5 に保つ。
- 寡肥種の元肥の量は1の施肥量の半分以下にする。
キャプテン・ハリー・ステビングス、 夢想、 あけぼの、 レッド・ライオン、 初恋、 晴世、 マダム・サチ など。
Ⅵ 鉢の土替え
- 原則として毎年行う。土を落として病気を点検し、根を切って2号ほど小さい鉢に植え替え、5月ごろに鉢穴から白根が出たら元の大きさの鉢にゆるめる。
- ゴロ土とたい肥を体積で7:3に混ぜ、更にバーミキュライトを加え、株元にマグァンプKひとつまみを混ぜて植える。
Ⅶ つるバラの誘因とせん定
- 3年以上の弱った古い幹は切除する。まっすぐ上に伸ばしたシュートや途中シュートは、先端を30cmほど切って横に倒す。
- 昨年横に倒した幹から出た枝は、枝元から2,3芽残してせん定して5月に花を咲かせる。
Ⅷ 薬剤散布
今月下旬より2月初めまでバラの休眠期となります。この機会に高濃度の薬液で病害虫を徹底的に撲滅しましょう。特に今年黒星病やハダニの被害を受けた方は,必ずこの休眠期中に3回,被害を受けていない場合でも1回は必ず散布を行うようにしましょう。
例:水10ℓあたり
展着剤 | アビオンE | 10㎖(1,000倍) |
黒星病 | ジマンダイセン | 33g(300倍) |
うどんこ病 | トップジンM | 33g(300倍) |
ハダニ | ニッソラン水和剤 | 10g(1,000倍) |
Ⅸ かん水
降雨が少ない場合は2,3週間に1回は十分にかん水する。