バラ栽培研究会 月々の手入れ -3月
3月下旬〜4月下旬の手入れ
気温の上昇とともに芽が伸長し、花枝が日ごとに大きくなります。この期間は開花前の良い花枝の仕立てに重点をおきます。
Ⅰ 花枝を仕立てる手順
1 切り戻しと芽かき
⑴ 切り戻し:上部の芽の伸びが悪い場合は、下の良い芽まで切り戻す。
⑵ 芽かき:頂芽が10〜15cm伸びる3月下旬頃までに芽かきを終わる。幹・枝の太さによって残す芽の数を決める。
*2月の講座のⅠ-2「芽かき」の項を参照。また、主芽のそばに副芽があれば取り除く。
2 不良枝などの処理
出開き、つぼみがあるが極端に短い枝、つぼみのつかない枝(ブラインド)などは取り除く。ブラインドは5枚葉でピンチしておくと、6月に花が咲く。
3 花枝の整理
⑴ 庭バラや飾り花として咲かせる場合は、残した芽を全部伸ばして花枝にして咲かせる。
⑵ コンテスト花の場合は、株を弱らせないために良花が咲かないと思われる花枝に5枚葉を5,6枚残してその上を摘芯する。花枝の良否が分からないときは、花が乱れやすい頂芽からの花枝を摘芯する。*2月の講座(3ページ)のⅠ-3- ⑵ を参照。
⑶ 花茎の太さの調節
4月上旬以前に摘芯すると花茎が太くなる。4月下旬以降に遅く摘芯すると、残した花茎は太くならない。
Ⅱ 良い花枝の仕立て
1 副らい、脇芽の除去
主らいのそばにある副らいや、花枝上部の葉の付け根にある脇芽は早めにかき取る(FLは中心のつぼみを取ると、周りのつぼみが咲きそろう)。
2 葉・花茎・花首直し
⑴ 葉:斜めになった花枝は支柱、麻ひもなどでできるだけ垂直に固定すると、葉が水平に横に広がるようになる。葉直しは5日くらい必要。
⑵ 花茎、花首直し:添え木、クイックタイなどで花茎や花首の曲がりを直す。*下図を参照。花茎直しは10日、花首直しは7日くらい必要である。
添え木:竹、ワリばし、7〜8mmの六角木棒
*初めに物干しばさみで枝と添え木を固定すると作業がしやすい。クイックタイ等で固定する時は下から固定する。*初めに物干しばさみで枝と添え木を固定すると作業がしやすい。クイックタイ等で固定する時は下から固定する。
Ⅲ 薬剤散布
4月上旬:薬害防止のため通常濃度の1.5〜2倍ほど薄い液を7〜10日ごとに散布する。昨秋、病気が発生していたら早めに散布する。4月中旬以降〜開花前までは、通常濃度で7〜10日ごとに散布する。
展着剤 | まくぴか | 1㎖(10,000倍)〜1.5㎖(7,000倍) |
黒星・うどんこ病 (予防) | ポリキャプタン水和剤 | 10g(1,000倍)〜13g(750倍) |
アブラムシ類 | マラソン乳剤 | 2.5㎖(4,000倍)〜3.3㎖(3,000倍) |
Ⅳ 施肥
花するまでしない。鉢植えは、つぼみに色が見えるまで1,000倍液肥を1週間ごとに与える。新苗は、地植え・鉢植え共に 1,000倍液肥を10日ごとに与え続ける。
Ⅴ かん水
4月中旬までは降雨量も考えて過不足にならないように与える。下旬からかん水量を減らし、開花の2〜3週間前には中止する。鉢植えは加湿にならないよう、乾いたら与える。